染色工法の紹介 |「デジタル染色」について

西田惣のこと

こんにちは、西田惣染工場です。
前回は西田惣で行っている染色工法3つのうちの2種類をご紹介しました。
今回は「デジタル染色」についてご紹介します。

デジタル染色とは?

デジタル染色とは、パソコンで作成したデザインデータをインクジェット
プリンターを使い生地を染色する方法です。大きく分けて2種類あります。

ダイレクトプリント:プリンターで直接生地に印刷する方法 です。一般的には前処理と後処理が必要です。

昇華転写捺染:一度「転写紙」という専用の紙にデザインを出力し、生地と一緒に熱を加えて転写する方法です。

繊維の染色に対してアパレル製品などの製造向けにまず「ダイレクトプリント」が広がり、
発展してきました。基本的には片面プリントの製造仕様となっています。

一方、「昇華転写捺染」は、一度紙に出力したデザインを生地に転写する方法で、
こちらも片面プリントのニーズから生まれた技術です。
ただ、一定の設備や条件が整っていれば、両面プリントを行うことも可能です。

デジタル染色の大きな特徴は、製版(型)を作る必要がないことです。
そのため工程が少なく、スピーディーに仕上げられるというメリットがあります。
また、写真やグラデーション、細かなデザインもフルカラーで表現ができます。

なお同じデジタル染色でもダイレクトプリントの方法では、プリントの後で蒸したり、
洗ったりと多くのエネルギーを消費するのに対し、昇華転写捺染は無水捺染とも言われ、
熱でプレスをすると出来上がるので仕上がりが早く、環境負荷が少ない染め方なのです。

日本では1989年頃から本格的に生産に使用されるようになった仕組みです。
現在もさまざまな発展をして、新しい設備がいろいろと開発されています。
これらの進歩によって生産効率や表現可能なデザインの幅が大きく変わりました。

西田惣のデジタル染色

弊社では2002年から「昇華転写捺染」を取り入れ、旗や幕、
のれんなどの両面染めが必要な商品を製作しています。
導入当初の社内では前回ご紹介した本染めや顔料プリントと
品質面で比較される立場にありました。

しかし、本染めならではの色の深みや、両面染めのこだわりは、
時にデジタル染色の限界を超えるような挑戦につながりました。
試行錯誤を重ね、オリジナルの手法と自社開発の設備を使って
品質を築いてきました。

生地に種類にもよりますが、140㎝×300㎝まで両面で転写することが可能です。
片面のみ転写するこもできます。

昇華転写捺染で使用する「昇華性分散染料インク」はポリエステル専用の染料です。
そのため弊社では、麻風や木綿風など、さまざまな表情の生地を取り揃えております。
お客様のイメージにあった素材を選んでいただけるよう、常時在庫しております。

 


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[ 2025年07月01日 ]